研究活動

先端物質創成 | 量子ビーム分光 | 量子相制御 | 理論物質設計

量子ビーム分光

巨大ラシュバ分裂

空間反転対称性が破れた物質では、スピン軌道相互作用を介して、ゼロ磁場下においてもスピン縮退が解ける。極性層状半導体BiTeIのバルク結晶においてこれまで報告されたなかで最大級のスピン分極が生じていることを発見した。

擬ギャップ相


第二の高温超伝導体である鉄系超伝導体において、電子ネマティック状態と共存する擬ギャップ相を観測した。銅酸化物高温超伝導体との類似性を明らかにするとともに、鉄元素に固有の「軌道」の自由度の重要性を提示した。

らせんスピン配列による巨大電気磁気光学効果

らせん型に配列したスピンを用いることで、磁気カイラル効果を呼ばれる電気磁気光学効果を、エレクトロマグノン共鳴において実現した。磁気カイラル効果は、物質中にカイラリティと磁性が共存した時に起こる光学現象であり、対向して進む光に対して異なる光学応答を示す方向2色性という現象により観測される。らせん型のスピン秩序は物質にカイラリティと磁化を同時に誘起するため、エレクトロマグノンと呼ばれる磁気励起において巨大な磁気カイラル効果が発現する。CuFe1-xGaxO2(x = 0.035)のらせん磁気相を利用し、光の進行方向の反転により、400%を超える吸収係数の変化を実現した。この巨大応答はらせん磁性体の持つ一般的な動的応答であり、新原理によるアイソレーター、光制御素子などの展開が期待できる。

量子ビームによる構造物性研究

物質中の電子は、電荷やスピン、軌道、スピン状態、電気双極子など様々な自由度を持っている。放射光X線散乱(共鳴X線散乱、共鳴軟X線散乱)や中性子散乱を使った構造物性測定によって、これらの自由度が結晶中でどのような秩序構造を形成し、どのような励起状態を持っているかを調べることで、物質が示す性質の起源を解明している。