研究活動
本センターでは、固体中の電子が、そのスピンと電荷さらに格子系の自由度を通じて互いに強い相関を保ちながら運動することによって生じる多彩な物質相に注目し、その多体量子系としての物理学と外場や光による相の制御を利用した新しいエレクトロニクスの開拓を目指している。遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲナイド化合物、有機系固体、半導体など幅広い物質系を対象とし、物質開発、物性測定、レーザー分光、X線光学や理論を互いに連携させながら研究を推進している。従来の物性物理学研究では、伝導や磁性といった低エネルギーの物性と光領域の高エネルギーの物性が同じ土俵の上で議論される機会は少なかった、この両者の融合を図ることで、独自の研究を世界に先駆けて展開している。これにより、従来の一体問題の発想では捉えられない新規の現象を次々に発見し、それをきっかけとして、強相関電子系の磁気的性質、伝導、光学応答に関する知見とそれを記述する理論研究が格段に進歩してきており、従来の半導体エレクトロニクスを超える次世代エレクトロニクスにつながる新しい工学を切り拓いている。
