研究活動

量子物質薄膜デバイス

強相関量子物質における電場誘起相転移

電荷、軌道、スピン、格子などの複数の自由度が強く結合した強相間量子物質は、高温超伝導や超巨大磁気抵抗、金属・絶縁体転移などに代表されるエキゾチックな物性の宝庫である。本研究では、d電子系遷移金属化合物やその積層超構造などを対象に、イオンゲート法による超高密度キャリア制御・超強電場印加技術を利用することで、超伝導転移や磁気相転移、電荷・軌道秩序転移、CDW・SDW転移などの様々な相転移現象の電場制御を実現し、強相関電子系の集団的性質を反映した新奇量子相の開拓と制御に取り組む。

二次元量子物質超構造における創発二次元量子物性

グラフェンやMoS2に代表される二次元物質を様々なパターンで積層配列させたファンデルワールス超構造では、バルク三次元結晶や単一二次元物質には見られない多彩な物性や機能性を設計・創出することが可能である。本研究では、多彩な量子相を基底状態に持つ二次元量子物質に注目し、これらを分子線エピタキシー(MBE)法によるボトムアップ手法で積層配列させた二次元量子物質超構造を構築するとともに、界面での空間対称性の破れや特異な近接効果に起因した新奇量子相の開拓と制御に取り組む。