Welcome to Nakano Laboratory !


研究概要

固体中を運動する電子を2次元平面に閉じ込めると、3次元のときとはまるで異なる振る舞いを示します。このような2次元電子系は、半導体へテロ構造や電界効果デバイスなどで実現できることが古くから知られており、様々な物理現象の発現の舞台となってきました。一方、21世紀に入ってからは、薄膜エピタキシー技術の発達や、グラフェンに代表される2次元物質の登場、さらにはトポロジカル絶縁体の発見などにより、様々な物質系で2次元電子系を比較的容易に実現できるようになり、界面超伝導や界面磁性、さらには単層高温超伝導や室温量子ホール効果など、従来の3次元固体では実現できない驚くべき物性が次々と明らかになっています。当研究室では、特にファンデルワールス物質や強相関絶縁体に注目し、薄膜エピタキシー技術を利用した物質開発や、ファンデルワールス超構造における物性開拓、有機電解質を利用した電界効果ドーピングによる電子相制御などを通して、新しい2次元物性の開拓に取り組んでいます。

中野研は、2019年2月に発足した新しい研究室です。現在はお隣の岩佐研究室と垣根のない共同研究をしており、イベントなども一緒に行っています。詳しくは以下の岩佐研ホームページをご覧下さい。

物理工学専攻 岩佐研究室


ファンデルワールス超構造の量子物性


天然に存在する物質はすべて3次元的な構造を形成していますが、そのような3次元固体の一層を取り出すと、もともとの物質とはまったく異なる性質を示すことがあります。例えばグラフェンは、鉛筆の芯に用いられるグラファイトを一層だけ取り出した炭素の2次元シートですが、ディラック錐と呼ばれる特徴的な電子構造を持ち、グラファイトにはない、極めて特徴的な性質を示すことが明らかになってきました。このように、一層だけ取り出したときにもともとの3次元固体とはまったく異なる物性を示す物質群は他にもたくさん存在し、2次元物質と総称されています。2次元物質は、それ単体でも非常に興味深い研究対象で、グラフェンの登場以降、世界中で極めて活発に研究が行われておりますが、最近では様々な2次元物質を任意の組み合わせで積層させた「ファンデルワールス超構造」を設計・作製し、単一物質では得られない新物性や新機能を実現しようという流れが世界中で爆発的に拡がっています。本研究では、主に薄膜エピタキシー技術をベースとして、そのようなファンデルワールス超構造の構築と新物性・新機能の開拓に取り組んでいます。


 代表論文


強相関絶縁体における電場誘起モット転移


従来の固体物理は、固体中に存在する電子をお互い独立に振る舞うものとして取り扱うことで、様々な物理現象を説明することに成功してきました。しかし物質の中には電子同士の相互作用を無視できないものがあり、バンド理論では金属と予想される場合でも、実際には電子同士のクーロン反発によって絶縁体になることがあります。そのような物質群は強相関絶縁体(モット絶縁体)と総称されておりますが、この強相関絶縁体状態は絶妙なバランスのもとに成り立っており、何らかの手法でそのバランスを崩すと、高温超伝導や超巨大磁気抵抗など、従来の常識を遥かに超えた極めてユニークな物性が発現することが知られています。このような電子状態の急激な変化は電子相転移と呼ばれ、特に銅酸化物における高温超伝導の発見以降は、物性物理研究における中心課題の一つに位置付けられています。本研究では、主に薄膜エピタキシー技術を駆使して作製した様々な強相関絶縁体を用いて、有機電解質(イオン液体)を利用した電界効果デバイスを作製し、電子相転移(モット転移)の外部電圧によるスイッチングの実現を目指した研究に取り組んでいます。


 代表論文


研究室メンバー


特任准教授
中野 匡規
Masaki NAKANO
nakano [at] ap.t.u-tokyo.ac.jp
修士2年
武藏 摩紀
Maki MUSASHI
musashi [at] mp.t.u-tokyo.ac.jp
修士1年
野原 大和
Yamato NOHARA
nohara [at] mp.t.u-tokyo.ac.jp
修士1年
黄 驤
Xiang HUANG
xiang [at] mp.t.u-tokyo.ac.jp


連携メンバー


教授
岩佐 義宏
Yoshihiro IWASA
物理工学専攻 岩佐研究室
修士1年
梶原 駿
Shun KAJIHARA
物理工学専攻 岩佐研究室
学部4年
遠藤 幹大
Kanta ENDO
物理工学専攻 岩佐研究室

修士課程
真島 裕貴
Yuki MAJIMA
2020年度修了(岩佐研)
博士課程
王 越
Yue WANG
2020年度修了(岩佐研)
博士課程
松岡 秀樹
Hideki MATSUOKA
2020年度修了(岩佐研)
修士課程
田中 勇貴
Yuki TANAKA
2019年度修了(岩佐研)
修士課程
柏原 悠太
Yuta KASHIWABARA
2018年度修了(岩佐研)